油性資材トータル・マネジメント

創意工夫と技術開発で、
処理の困難だったタールスラッジの再生燃料化に成功

製鉄所などのコークス炉で、ガス精製設備から排出されるタールスラッジは、粘度が高く、固形化しやすいという性質から取り扱いが難しく、従来は石炭にまぶして、コークス炉で処理していました。
宝石油機工はこのコークス炉の「お荷物」に着目。試行錯誤と創意工夫を重ね、約8000kcalという石油同等のカロリーを持つタール系助燃油(補助燃料)として再生燃料化することに成功しました。50t/日の製造能力を持つタールスラッジの再生燃料化施設は2006年12月より稼動。現在は約30t/日を製造して、生石灰製造企業様などで重油の代替燃料として活用されています。
なお2010年9月には「コークス炉から排出されるタールスラッジの再資源化方法」として特許が公開されています。
[特開2010-209165 新日鐵住金(株)名古屋製鐵所様との共同出願]

タールスラッジを燃料化する独自の先進技術

宝石油機工は、処理工程にタールスラッジを微粉砕する「振動ミル」に独自技術をプラス。通常なら沈澱固化してしまうタールスラッジの粒子を微粉砕することで、油分により溶け込みやすくしました。この微粉砕の段階で温度50〜70℃の範囲の粘度を200〜1000m²/sに調整できるようになりました。様々な粘度に調整された再生燃料化タールスラッジは、燃料用、造粒バインダー用として利用できます。

施設/設備名称 エネルギー資源化推進センター タールスラッジ混合・微粉砕処理施設
設置 No.1ミル稼働2006年(平成18年)12月、No.2振動ミル2011年(平成21年)3月
処理能力 〈汚泥、廃油、廃プラスチック類 25.32t/日〉×2基
処理概要 タールスラッジをタール系助燃油に再生燃料化する
設備概要 振動ミル(3.165t/h)、ピット・貯蔵タンク 200t

徹底した品質管理体制

再生燃料化タールスラッジは、最高品質を保つためにカロリーや水分、環境規制対象成分である硫黄などの含有量を定期的に分析しています。

検査機器一覧
蛍光X線分析装置 自動ボンベ熱量計 ハンデー型Ph計 CODメーター
ハロゲン水分計 赤外線水分計 送風定温乾燥器 低音恒温水槽
オイルバス(恒温油槽) 粘度計 引火点試験器 上皿電子天秤
分析用電子天秤 ホットプレート マントルヒーター デシケーター
ボトルサンプラー 卓上型プログラムマッフル炉 油分測定器 中和滴定器